口腔外科治療
「口腔外科」という診療科を単独で掲げている普通の開業医を見かけることはあまりないかと思います。
ほとんどの場合、口腔外科は「歯科・口腔外科」というように「歯科」とセットになっているか、あるいは大学病院などの大きな病院の診療科として存在します。
ところで、この口腔外科がどのような病気を治療しているかをご存知ですか?
口腔外科は簡単に言うと、「お口の外科」という意味で、一般歯科が行うような虫歯や歯周病の治療とは違い、口の中やその周囲の組織にある病気を取り扱います。
抜歯が必要な親知らずについて
親知らずは第3大臼歯と呼ばれる一番奥にある歯のことです。
一般的に、20歳前後で生えるとされますが、その時期には個人差があり、生えない方もいます。また、4本ある親知らずのうち、数本のみが生える方や、一部だけが露出する方もいます。
親知らずに異常が無ければ、もちろん何もする必要がありませんが、虫歯になったり、痛みが出たりした場合は、抜歯に至ることがあります。特に隣接している歯と密着している場合があり、親知らずの影響を受けて虫歯になったりすることもありますので、歯全体のことを総合的に考えて、必要な場合にのみ抜歯を行います。
どんな抜歯にも対応できる
当院では抜歯を数多くこなしているため、「難抜歯」と呼ばれる骨に深く埋もれた親知らずなどでも対応できます。
大学病院レベルの治療を提供するために研鑽を重ねています。
抜歯がスムーズ
抜歯の経験が多く、テクニックを熟知しているため素早く治療を終えることができます。
抜歯というのは患者さんにとって非常にストレスな治療であるため、早く治療を終えることも患者さんへの優しさです。
抜歯に伴うトラブルが起こりにくい
歯というのは白い部分だけではなく、歯ぐきや目に見えない顎の骨、神経や血管などとも密接に関わっています。
口腔外科を専門的に行うためにはそれらを十分に知り尽くす必要があり、、抜歯に伴う神経や血管を傷つけるというようなことが無いように診断から最新の注意を払っています。
腫れや痛みが最小限
傷口をなるべく小さく、やかかる時間を最小限にすることは、痛みを抑え術後の回復を早める事につながります。
親知らずを放置することについて
親知らずを放置してもいいものなのか、疑問に思う人も多いでしょう。
実際、親知らずというのはケースバイケースで抜いたほうがいいのかそうでないのかが決まってきます。
親知らずを放置するメリット・デメリットにはどのようなものがあるのか見ていきましょう。
親知らずを放置するメリット
ブリッジの支台にできる場合がある
親知らずを残しておくと、例えば手前の歯を抜かなければならなくなった場合に、ブリッジを入れる支えの歯として使える場合があります。
移植に使えることがある
どこかの歯が悪くなって抜かなければならなくなった場合に、親知らずをその部分に移植することができます。
親知らずを放置するデメリット
虫歯や歯周病になることがある
親知らずは磨き残しが出やすいため、親知らず自身が虫歯や歯周病になってしまうだけでなく、その手前の歯を巻き込んでしまうこともあります。
歯並びをずらしてしまうことがある
親知らずが傾いていたり、横向きに埋まっている場合、親知らずが手前の歯を押していくことで、全体の歯並びがずれてしまうことがあります。
口臭の原因になることがある
親知らず周辺が不潔になることで、細菌が繁殖し、口臭の原因になることがあります。
嚢胞を作ることがある
親知らずが骨に埋もれている場合、まれに?胞という病気を親知らず周囲に作ってしまうことがあります。
親知らず以外の口腔外科
親知らず以外で口腔外科が扱う病気は多岐にわたり、口の中やその周辺の病気で、顎関節症、顎変形症、歯や顎周辺の外傷、炎症、口腔粘膜疾患、先天異常、唾液腺疾患、腫瘍、嚢胞、神経性疾患などが挙げられ、それらに対する治療を行います。
口腔外科で行われるのは次のような治療ですが、入院が必要な治療や大掛かりな手術などは一般開業医の口腔外科では通常行わず、大きな病院で行います。
顎関節症の治療
顎が痛い、口が開きづらいというような顎の症状を伴う顎関節症の治療です。
口腔外科ではマウスピースを使った治療や投薬などの治療のほか、ひどい場合には手術を行う場合もあります。
当院では特に顎関節治療に精通した歯科医師が在籍しているので、少しでも気になる方は一度ご相談ください。
顎変形症の治療
顎の変形が原因の不正咬合があり、矯正治療だけでは治らないケースで、顎を直接整形する手術を行います。
歯や顎周辺の外傷
ぶつけたり転んでしまって歯や骨、粘膜などに外傷を負った場合の治療を行います。
口、顎周囲の炎症
口の中、顎の周囲組織の炎症、例えば膿瘍(膿だまり)や骨炎、歯が原因で起こった上顎洞炎などの治療を行います。
口腔粘膜疾患
口の粘膜に起きた様々な病気、例えば白板症、扁平苔癬、口腔カンジダ症、ヘルペス性口内炎などの治療を行います。
先天異常
口唇裂(上唇が割れている)や口蓋裂(口の天井部分が割れている)、唇顎口蓋裂(上唇と口蓋の両方が割れている)というような生まれつきの異常を手術して治したり、唇や頬と歯茎をつないでいる小帯に異常がある場合に切除を行ったり、生まれつき歯の本数が過剰である場合の抜歯などを行います。
唾液腺疾患
唾液腺の炎症や唾液腺腫瘍、唾液腺の中に石が溜まる唾石症などの治療(投薬や手術)を行います。
腫瘍
口の中、周辺の良性腫瘍や悪性腫瘍の治療(手術、化学療法、放射線治療など)を行います。
嚢胞
口の中の粘膜や顎の骨の中にできる嚢胞(中に液体のたまった袋状のできもの)に対する手術を行います。
神経性疾患
顔面に走る神経(三叉神経や顔面神経)の痛みや麻痺に対する治療を行います。
その他
舌痛症(舌に外見上異常はないのに痛みを感じる病気)に対して投薬治療を行ったり、歯がない部分にインプラント治療を行ったりなどを行います。
口腔外科で気をつけること
口腔外科治療は他の科目に比べて体の負担が比較的大きく、患者さんにもご協力いただく点が多くあります。
当院では少しでも安心して治療を進められるように、まずきちんとお話ができることを大切にしています。大切なことは不安をそのままにしないことです。ご相談をお待ちしています。