摂食嚥下障害(口腔機能低下症)
老化のサインは足腰ではなく、お口から
- 100年healthには、お口の老化(オーラルフレイル)を抑えること
- 100年mouthの実現には「出来るだけ抜かない・削らない」治療が必須
お口の老化「オーラルフレイル」とは
心身の老いを感じるけれど、まだまだ介護は必要ない。
そんな健康と要介護の中間段階を「フレイル(虚弱)」といいますが、フレイルの症状の中でも比較的早い段階で起こるもののひとつが「オーラルフレイル」です。
老化に伴う様々な口腔の状態(歯の数の減少、口内の衛生状態の悪化、口の機能の低下)の変化に、口腔健康への関心の低下、心身の予備能力の低下も重なり食べる機能障害になります。
オーラルフレイルの始まりは食事時のむせこみが増えること、硬い食品が噛めなくなること、滑舌が悪くなることなどが挙げられますが、この状態を放置すると嚥下障害を引き起こすことが考えられます。
「まだ老化なんて」という方も、将来要介護にならず、健康で自立した生活を維持するためには、老化のサインのひとつともいえる「オーラルフレイル」を見逃さず、対処・予防していくことが欠かせません。
口腔機能低下症
「口腔機能低下」とは、加齢により口腔内の「感覚(発声)」「咀嚼」「嚥下(飲み込み)」「唾液分泌」等の機能が少しずつ低下してくる症状です。口腔機能低下症の割合は40代で4割、50代で5割、60代で6割、70代で8割の方々が該当します。
オーラルフレイルをチェック
オーラルフレイルをどこでも簡単にチェックできる問診票です。
3点以上の「危険性あり」となった人には、専門的な対応が必要です。
質問項目 | はい | いいえ |
---|---|---|
半年前と比べて、硬いものが食べにくくなった | 2 | |
お茶や汁物でむせることがある | 2 | |
義歯を使用している | 2 | |
口の乾きが気になる | 1 | |
半年前と比べて、外出の頻度が少なくなった | 1 | |
さきいか・たくあんくらいの硬さの食べ物が噛める | 1 | |
1日に2回以上は歯を磨く | 1 | |
1年に1回以上は歯科医院を受診している | 1 |
合計の点数が
- 0~2点 オーラルフレイルの危険性は低い
- 3点 オーラルフレイルの危険性あり
- 4点以上 オーラルフレイルの危険性が高い
※東京大学高齢社会総合研究機構 田中友規、飯島勝矢:作表
オーラルフレイルとだ液の関係
お口の老化予防には「だ液」が重要です。
だ液が減ると・・・
- 口が渇く
- 歯周病になりやすい
- 飲み込み辛い
- 薬も飲めなくなる
つまり、だ液は「嚥下(飲み込む)」に必須です。
唾液腺マッサージで改善
唾液腺をやさしく刺激することで、唾液がたくさん出るようになり、食べ物が口の中でまとまり、飲み込みやすくなります。
だ液腺マッサージの効果
だ液腺マッサージにより口腔内が潤うと、次のような効果が期待できます。
- お口の自浄作用が働く
- 口腔乾燥の方の口腔ケアがしやすくなる
- 痛みなどの症状が和らぐ
- お口の周りの筋肉の緊張がほぐれ、お口が開きやすくなる
- だ液腺マッサージは会話をしながら行うので、コミュニケーションになる
- 食べること、飲み込むことや、会話がしやすくなる